『執愛婚』~クリーミー系ワンコな部下がアブナイ男に豹変しました
同窓会で話しかけらた時から、嫌な予感はしてた。
高校卒業と同時に姿を消すように海外に逃げたから。
今日実家に帰った時に姉貴からも忠告を受けた。
『あの子、また来たよ』って。
どんな手を使って姉貴の電話番号を入手したのかは分からない。
しつこく電話して来て、仕方なく教えたって言ってたから。
出産したばかりで疲れ切ってる時に、しつこくされたら誰だって心が折れる。
だから、姉貴を責めれなかった。
新規案件で璃子さんが担当してるってことは、俺らの関係もバレてるってことだ。
マジでどうしよう。
俺だけならまだしも。
璃子さんに何かされたら……。
「担当代われないの?」
「……代われなくはないと思うけど」
「頼むから、代って。っつーか、俺が担当するよ」
「……ううん、私なら大丈夫だよ」
「全然大丈夫じゃねーしっ!!」
「ホントに平気だよ?今まで色んな人と接して来てるから、それなりに対応の仕方も身についてるし」
「いや、そういう問題じゃないから」
「……」
「俺の気を惹くために、車に轢かれるようなやつだよ?」
「へ?」
「璃子さんの常識が通じる相手じゃないから」
「……」