『執愛婚』~クリーミー系ワンコな部下がアブナイ男に豹変しました
*
「本当に貴女という人は……」
「……すみません」
「前回も話しましたよね?これは、本当にオーバーワークの象徴のようなものなんですよ?」
「……はい」
「激しい運動をしたわけでもないのに、OLさんがこの状態になるのは、本当に稀ですからね?」
「……はい」
「とりあえず、軽い亀裂が入った程度なので大事には至りませんが、これ以上無理したら、手術も視野に入れないといけなくなりますよ?」
「……はい」
「……もう、本当に困った人ですね」
完全に手に負えないくらいポンコツだ。
三年前にも同じ状態に陥った。
営業の外回りで歩きすぎて、疲労骨折を。
数日前から足首の少し上辺りに違和感があって、今朝から激痛が走るようになった。
そして、浮腫みとは言い切れないほど、腫れが出て来たということもあって受診したのだが。
仕事に打ち込み過ぎる性格が仇となり、返って周りに迷惑をかける……最悪なパターン。
他の人は疲労骨折なんてしないのに、何で私だけなんだろう?
「骨が弱いから骨折するんですか?」
「それもありますね。一概には言えませんけど、カルシウム不足もありますし、ホルモンのバランスによって骨密度が減少したりもしますし」
「……そうですか」
「適度に運動して、骨を支える筋肉を鍛えるという手もあります」
「……なるほど」
「それと、歩きやすい靴に変えるとか、足底に吸収力のある素材を選ぶとか」
「それなら私にも出来そうです」
「まずは休息を取って、足を労わってあげて下さい」
「……はい」
「では、処置室に寄ってからお帰りを」
「はい」
看護師に支えられ、腰を上げる。
「白井さん」
「はい」
「困ったことがあったら、連絡下さい」
主治医の椎名 千彰(整形外科医・三十五歳)は、電話するポーズを取った。
「本当に貴女という人は……」
「……すみません」
「前回も話しましたよね?これは、本当にオーバーワークの象徴のようなものなんですよ?」
「……はい」
「激しい運動をしたわけでもないのに、OLさんがこの状態になるのは、本当に稀ですからね?」
「……はい」
「とりあえず、軽い亀裂が入った程度なので大事には至りませんが、これ以上無理したら、手術も視野に入れないといけなくなりますよ?」
「……はい」
「……もう、本当に困った人ですね」
完全に手に負えないくらいポンコツだ。
三年前にも同じ状態に陥った。
営業の外回りで歩きすぎて、疲労骨折を。
数日前から足首の少し上辺りに違和感があって、今朝から激痛が走るようになった。
そして、浮腫みとは言い切れないほど、腫れが出て来たということもあって受診したのだが。
仕事に打ち込み過ぎる性格が仇となり、返って周りに迷惑をかける……最悪なパターン。
他の人は疲労骨折なんてしないのに、何で私だけなんだろう?
「骨が弱いから骨折するんですか?」
「それもありますね。一概には言えませんけど、カルシウム不足もありますし、ホルモンのバランスによって骨密度が減少したりもしますし」
「……そうですか」
「適度に運動して、骨を支える筋肉を鍛えるという手もあります」
「……なるほど」
「それと、歩きやすい靴に変えるとか、足底に吸収力のある素材を選ぶとか」
「それなら私にも出来そうです」
「まずは休息を取って、足を労わってあげて下さい」
「……はい」
「では、処置室に寄ってからお帰りを」
「はい」
看護師に支えられ、腰を上げる。
「白井さん」
「はい」
「困ったことがあったら、連絡下さい」
主治医の椎名 千彰(整形外科医・三十五歳)は、電話するポーズを取った。