初恋タイムトラベル
再会
「懐かし……」
電車に揺られながらひとり呟いた。
窓の外に広がるのは、のどかな風景。久しぶりに訪れた故郷に、胸に込み上がってくるのは、感動と、妙な切なさ。
目的の場所で下車すると、春を感じさせる生暖かい風がすうっと頬を撫でる、大きく息を吸い込むと懐かしい匂いがした。
「おー! 美香! 久しぶり」
「久しぶり……ケイタ」
小さな駅の改札を抜けると、会いたくてたまらなかった人がそこにいた。昔と変わらない笑顔で手を振っている。それだけで涙が出そうなほどに嬉しい。
「いやぁ、突然電話よこすからビックリしたわ」
「ごめん、急に思い出して」
「思い出すの遅すぎだっつーの」
「ごめん」
「美香が転校してったのが中2の終わりだから、10年ぶりだなー」
「そうだね。元気にしてた?」
「おう!」
再会は案外あっさりしていた。まるで先月も会ったくらいの気軽さで会話が進む。
10年ぶりに電話をかけたあの日も、そうだった。
ケイタは声を聞いて私だとすぐに気づいてくれて、驚くほど普通に会話が始まって、すんなりと会う約束をしていた。至って自然な流れだった。
--そうだ。今度飯でも行こうぜ。
--うん、来週、そっちの近くに出張行くことになってるから、行こう。
……出張は嘘だったけど。
電車に揺られながらひとり呟いた。
窓の外に広がるのは、のどかな風景。久しぶりに訪れた故郷に、胸に込み上がってくるのは、感動と、妙な切なさ。
目的の場所で下車すると、春を感じさせる生暖かい風がすうっと頬を撫でる、大きく息を吸い込むと懐かしい匂いがした。
「おー! 美香! 久しぶり」
「久しぶり……ケイタ」
小さな駅の改札を抜けると、会いたくてたまらなかった人がそこにいた。昔と変わらない笑顔で手を振っている。それだけで涙が出そうなほどに嬉しい。
「いやぁ、突然電話よこすからビックリしたわ」
「ごめん、急に思い出して」
「思い出すの遅すぎだっつーの」
「ごめん」
「美香が転校してったのが中2の終わりだから、10年ぶりだなー」
「そうだね。元気にしてた?」
「おう!」
再会は案外あっさりしていた。まるで先月も会ったくらいの気軽さで会話が進む。
10年ぶりに電話をかけたあの日も、そうだった。
ケイタは声を聞いて私だとすぐに気づいてくれて、驚くほど普通に会話が始まって、すんなりと会う約束をしていた。至って自然な流れだった。
--そうだ。今度飯でも行こうぜ。
--うん、来週、そっちの近くに出張行くことになってるから、行こう。
……出張は嘘だったけど。