そんな理由で婚約破棄? 追放された侯爵令嬢は麗しの腹黒皇太子に溺愛される
7 アデラインとの再会
「王妃殿下。私どもの娘のステファニーは、最も厳しい戒律のゴッテスマン修道院に入れますから、どうかお怒りをお鎮めください。ステファニーはジュベール侯爵家の籍から抹消しますので、どうぞジュベール侯爵家にはおとがめのなきようにお願いもうしあげます」
私に待っていたのは、修道女になる運命だったの。お母様はジュベール侯爵家をそれほど守りたいのね。そこは罪深き人が集まる最も厳しい戒律の修道院。牢屋のほうがまだましだと噂されるところだった。
ルコント王国の貴族の子供達は幼い頃からなにか悪戯をすると、「ゴッテスマン修道院に入れますよ」と、言われて育てられるほど、恐ろしいところとして有名だった。
「そうね、それが良いでしょう。速やかにその手続きをするように」
キャサリン王妃殿下は満足気にうなづく。
「では、王家が用意した馬車で三日後には発つように支度をさせるのだ」
国王陛下の容赦ない言葉に身がすくんだ。
「すぐにでもジュベール侯爵家から出発させます。実はすでに荷造りは済ませておりますのでな。王家に余計なお手間を取らせるわけにはいきますまい」
お父様は私をすぐにでも修道院に向かわせるらしい。ジュベール侯爵家に向かう馬車の中では、お父様達は無言で外の景色を見ていた。屋敷に着くと、お父様はそのまま執務室に消えてしまった。お母様はたくさんのトランクを馬車に詰め込ませている。
「修道院には修道服がありますよね? たくさんの衣装は必要ありません」
「ここに呪われた娘の物を置きたくないのよ! すべて持って行きなさい。宝石もドレスも全部です!」
それほど嫌われていたなんて思わなかった。
お母様は私を生んで後悔しているの?
「お母様、もう二度と会えないと思います。どうかお元気で」
「挨拶などいいわ。さっさと出て行きなさい。二度とここには戻ってくるのではありませんよ。あなたの居場所はもうないのです」
たくさんの荷物を載せた馬車がジュベール侯爵家から出発する。私が生まれ育ったこの屋敷を見ることはもうけっしてないだろう。私は馬車の窓から屋敷を振り返るけれど、もちろん誰も見送ってくれる人はいなかった。
馬車は夜通し、かなりのスピードで進んで行き、朝方に山岳地帯の険しい崖にさしかかったときだった。急に馬車が停まり、目の前に一台の馬車が現れる。
「ステファニーお嬢様! もう大丈夫ですよ。悲しいことはもうお嬢様にはおこりません。このアデラインが一生お守りしますよっ!」
その馬車から降り立ち私に駆けて来た人物がアデライン、その人だった。
「アデライン、あなたは結婚する為に故郷に帰ったのではないの?」
「いいえ、キャサリン王妃殿下から奥様が守ってくださったのですわ」
どういうことなの?
あの厳しくて冷たいお母様が?
私に待っていたのは、修道女になる運命だったの。お母様はジュベール侯爵家をそれほど守りたいのね。そこは罪深き人が集まる最も厳しい戒律の修道院。牢屋のほうがまだましだと噂されるところだった。
ルコント王国の貴族の子供達は幼い頃からなにか悪戯をすると、「ゴッテスマン修道院に入れますよ」と、言われて育てられるほど、恐ろしいところとして有名だった。
「そうね、それが良いでしょう。速やかにその手続きをするように」
キャサリン王妃殿下は満足気にうなづく。
「では、王家が用意した馬車で三日後には発つように支度をさせるのだ」
国王陛下の容赦ない言葉に身がすくんだ。
「すぐにでもジュベール侯爵家から出発させます。実はすでに荷造りは済ませておりますのでな。王家に余計なお手間を取らせるわけにはいきますまい」
お父様は私をすぐにでも修道院に向かわせるらしい。ジュベール侯爵家に向かう馬車の中では、お父様達は無言で外の景色を見ていた。屋敷に着くと、お父様はそのまま執務室に消えてしまった。お母様はたくさんのトランクを馬車に詰め込ませている。
「修道院には修道服がありますよね? たくさんの衣装は必要ありません」
「ここに呪われた娘の物を置きたくないのよ! すべて持って行きなさい。宝石もドレスも全部です!」
それほど嫌われていたなんて思わなかった。
お母様は私を生んで後悔しているの?
「お母様、もう二度と会えないと思います。どうかお元気で」
「挨拶などいいわ。さっさと出て行きなさい。二度とここには戻ってくるのではありませんよ。あなたの居場所はもうないのです」
たくさんの荷物を載せた馬車がジュベール侯爵家から出発する。私が生まれ育ったこの屋敷を見ることはもうけっしてないだろう。私は馬車の窓から屋敷を振り返るけれど、もちろん誰も見送ってくれる人はいなかった。
馬車は夜通し、かなりのスピードで進んで行き、朝方に山岳地帯の険しい崖にさしかかったときだった。急に馬車が停まり、目の前に一台の馬車が現れる。
「ステファニーお嬢様! もう大丈夫ですよ。悲しいことはもうお嬢様にはおこりません。このアデラインが一生お守りしますよっ!」
その馬車から降り立ち私に駆けて来た人物がアデライン、その人だった。
「アデライン、あなたは結婚する為に故郷に帰ったのではないの?」
「いいえ、キャサリン王妃殿下から奥様が守ってくださったのですわ」
どういうことなの?
あの厳しくて冷たいお母様が?