再会した幼なじみと、ひとつ屋根の下
第5話*デートのお約束
○家の近所(夕方)
スーパーからの帰り道。心菜と颯真が一緒に歩いていると、友達の拓弥とバッタリ会ってしまった。
拓弥「なんで、心菜と相川先生が一緒にいんの?」
心菜「そっ、それは……」
返答に困る心菜。
心菜「じ、実は、相川先生は。颯真くんは、私の幼なじみで」
颯真「おい、心菜っ」
心菜「私たち、家が近所なの。昔から家族ぐるみで付き合いがあって。今日も親にふたりで夕飯の買い出しを頼まれて。今はその帰りで……」
ちらっと、心菜は拓弥の顔色をうかがう。
拓弥「ふーん。幼なじみ、ね」
心菜「そうなの。拓弥にだから話したけど、その……このことは、学校のみんなには内緒にしてくれる? ほら、相川先生は人気者だし。女子にバレたら困るっていうか」
拓弥「……分かった。心菜が困るっていうのなら、俺はこのことは誰にも話さない」
心菜「ありがとう」
張りつめていた心菜の顔に、ようやく笑みが浮かぶ。
拓弥「でも、その代わりに……心菜、今度俺とデートしてよ」
心菜「え、デ……」
心菜(デート!?)