再会した幼なじみと、ひとつ屋根の下


○心菜の家・1階リビング(夕食後)


心菜がソファでくつろいでいると、スマホが鳴った。


心菜(あ。拓弥からメッセージだ)


拓弥【デートのことだけど。
今週の土曜日ってヒマ?】


心菜(さっき言ってたデートって、本気だったんだ)


心菜【うん。土曜日は空いてるよ】


心菜がメッセージを返すと、すぐに拓弥から返事が届く。


拓弥【良かった。
それじゃあ駅前に10時集合で良い?】

心菜【了解と、うさぎの可愛いキャラクターのスタンプを返す】

すると程なくして拓弥から、『楽しみ』と某有名アニメのキャラクターが笑顔でジャンプしてるスタンプが届く。

それを見て、くすっと笑う心菜。


心菜(土曜日は、拓弥とデートかぁ。デート……)


デートという言葉に、ひとり顔を赤らめる心菜。


心菜(そういえば、同世代の男の子とふたりで出かけるのは初めてなんだよね。相手が拓弥でも、そこはやっぱり意識しちゃうよ)


颯真「ふーん。土曜日、アイツとデートなんだ」

心菜「きゃ!?」


耳元で低い声がし、びっくりする心菜。


颯真「ずるいなぁ。松木だけ心菜を独り占めするとか……」

心菜「ひ、独り占めって。拓弥とは、一緒に出かけるだけだよ」


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