七瀬先生、ここから先は違法です
第四話 禁断の部活動
〇職員室(放課後)
七瀬先生が、副担任から臨時の担任になり、数日後……。
夏鈴は職員室に呼び出されていた。
夏鈴「えー! そんな、いきなり廃部だなんて……困ります」
職員室に呼び出された夏鈴は、教頭先生に所属している天文部の廃部を告げられる。
教頭「困るって言われてもなあ。顧問の山木先生が休職なさってるんだから、しょうがないだろ……」
夏鈴「そ、それなら顧問を他の先生に……」
教頭「先生方はみんな手がいっぱいなんだよ。それに……こういっちゃなんだけど、他の部と違って活動も乏しいだろ?……部員の数も少ないし、この際廃部でいいんじゃないかっていう声が多くてね」
夏鈴「そんな……」
体調不良で休職された担任の山木先生は、夏鈴が所属する天文部の顧問でもあった。
山木先生が休職することによって、天文部の顧問も不在になってしまった。
教頭先生の言うことも一理あり、天文部の部員は幽霊部員ばかりで部活動としての活動は乏しかった。
夏鈴(それでも、私にとって天文部は、かけがえのない存在だった。先輩方が残した天文部を私の代で廃部にするなんて……いやだ)
教頭「……だから、なっ?水原も三年生で、もうすぐ引退だろ?水原が引退と同時に、廃部ということで……」
『先輩方の思いを受け継いだ天文部を廃部にしたくありません!』そう言いたいのに、勇気がなくて言葉が出ない。
夏鈴「……え、えっと、……」
教頭「まだなにかあるか?これは決定事項だからな」
夏鈴「……」
夏鈴(……どうしよう。止めたいのに、言い返す勇気が出ない。私なんかが反論したところで、廃部が撤回されるわけないし……)
夏鈴は自分が情けなくて顔が俯く。