七瀬先生、ここから先は違法です


〇教室(朝のホームルーム)

教室に戻ってきた夏鈴は、赤く染まりきった顔を隠すように両手で覆った。


恋愛経験がない夏鈴には、七瀬先生の言葉や表情は刺激が強すぎた……。火照った顔が収まってはくれない。

ドクドクとなる心臓の音が耳に響く。



寧々「夏鈴?七瀬先生、なんだって?呼び出しなんて珍しいね」

夏鈴「え、いや、なんでも……ないよ?」

明らかに動揺している夏鈴は、声が裏返る。


寧々「夏鈴、顔真っ赤じゃん、熱ある?」

夏鈴「だ、大丈夫!い、急いで戻ってきたから、たぶん、それで……」


苦しい言い訳を並べてみた。ありがたい事に、寧々はそれ以上追求してこなかった。


夏鈴(追求されなくてよかった……)

根掘り葉掘り聞かれてしまったら、嘘をつくのが苦手な夏鈴はボロが出てしまうだろう。
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