若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
「だから、カレン。もう気にしないで、なんて……僕が言えたことじゃないけれど。過去じゃなくて、これからを、一緒に見ていきたい。僕も、そうできるよう頑張るから」
こんな風に言ってもらえても、まだカレンの心は晴れない。
吹っ切れるには、時間が必要だろう。もしかしたら、吹っ切れる必要もないのかもしれない。
だって、それだけのことを、カレンはしてしまった。
互いに非があったとはいえ、妊娠の可能性を隠して逃げたのは、多数の人を巻き込む騒動を引き起こしたのは、カレンだ。
従者であるチェストリーにだって、大変な迷惑をかけてしまった。
彼は主人であるカレンのそばにずっといたから。まだ、自分のための人生を歩めていない。
カレンは、ジョンズワートとショーンだけでなく、自分に忠誠を誓ってくれる従者の人生まで壊してしまったのだ。
自身の行いについて、ずっと悔み続けることになるのだろう。
けれど、ジョンズワートの言う通りだと思った。
自分は、自分たちは、これからを見るべきだ。
自分自身のためにも、ショーンのためにも、周囲の人々のためにも。
だから。
「はい」
声は小さかったが、彼女は、確かに頷いた。
カレンのほうからも、ジョンズワートに体重を預ける。
柔らかな日の下で、ようやく夫婦となれた二人は、寄り添った。
こんな風に言ってもらえても、まだカレンの心は晴れない。
吹っ切れるには、時間が必要だろう。もしかしたら、吹っ切れる必要もないのかもしれない。
だって、それだけのことを、カレンはしてしまった。
互いに非があったとはいえ、妊娠の可能性を隠して逃げたのは、多数の人を巻き込む騒動を引き起こしたのは、カレンだ。
従者であるチェストリーにだって、大変な迷惑をかけてしまった。
彼は主人であるカレンのそばにずっといたから。まだ、自分のための人生を歩めていない。
カレンは、ジョンズワートとショーンだけでなく、自分に忠誠を誓ってくれる従者の人生まで壊してしまったのだ。
自身の行いについて、ずっと悔み続けることになるのだろう。
けれど、ジョンズワートの言う通りだと思った。
自分は、自分たちは、これからを見るべきだ。
自分自身のためにも、ショーンのためにも、周囲の人々のためにも。
だから。
「はい」
声は小さかったが、彼女は、確かに頷いた。
カレンのほうからも、ジョンズワートに体重を預ける。
柔らかな日の下で、ようやく夫婦となれた二人は、寄り添った。