若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
その場に残されたジョンズワートと両家の親たちは、みな一様に言葉を失っていた。
カレンが、ジョンズワートの求婚を断るだなんて思ってもみなかったのである。
だって、二人は幼い頃からとても仲がよくて。互いに恋心を抱いていることも明らかだった。
ジョンズワートも、デュライト公爵夫妻も、アーネスト家のカレンに結婚を申し込むつもりで過ごしていたのである。
カレンの両親だってそうだ。正式な約束はしていなかったが、二人は夫婦になるだろうと思っていた。
今回の話し合いだって、重点が置かれたのは「責任」ではなかった。
思っていたより早いタイミングになるけれど、傷をつけた責任もありますし、この時点で婚約するのはどうでしょうか、と。
そんな風な流れだったのだ。
もちろん、ジョンズワートも公爵夫妻も、この件ついて誠意ある謝罪をした。
それでも、二人の婚約は、責任を取るためだけのものではなかったのだ。
元よりそのつもりだったことが、少しだけ、時期が早まった。
それだけのことだった。
なのに、こんなことになるなんて。
カレンが婚約を拒否し、あんなにも強くジョンズワートを非難するなんて、誰も思っていなかったのだ。
このタイミングで婚約を申し込んだ理由は、怪我をさせたことだったかもしれないけれど。
カレンは快く婚約を受け入れ、二人は晴れて婚約者となる。みな、そう思っていた。
「申し訳ありません、ジョンズワート様。カレンも交えて、もう一度話し合いを……」
カレンが立ち去って、どのくらいの時間が経ったのだろう。
初めに言葉を発したのは、カレンの父だった。
カレンが、ジョンズワートの求婚を断るだなんて思ってもみなかったのである。
だって、二人は幼い頃からとても仲がよくて。互いに恋心を抱いていることも明らかだった。
ジョンズワートも、デュライト公爵夫妻も、アーネスト家のカレンに結婚を申し込むつもりで過ごしていたのである。
カレンの両親だってそうだ。正式な約束はしていなかったが、二人は夫婦になるだろうと思っていた。
今回の話し合いだって、重点が置かれたのは「責任」ではなかった。
思っていたより早いタイミングになるけれど、傷をつけた責任もありますし、この時点で婚約するのはどうでしょうか、と。
そんな風な流れだったのだ。
もちろん、ジョンズワートも公爵夫妻も、この件ついて誠意ある謝罪をした。
それでも、二人の婚約は、責任を取るためだけのものではなかったのだ。
元よりそのつもりだったことが、少しだけ、時期が早まった。
それだけのことだった。
なのに、こんなことになるなんて。
カレンが婚約を拒否し、あんなにも強くジョンズワートを非難するなんて、誰も思っていなかったのだ。
このタイミングで婚約を申し込んだ理由は、怪我をさせたことだったかもしれないけれど。
カレンは快く婚約を受け入れ、二人は晴れて婚約者となる。みな、そう思っていた。
「申し訳ありません、ジョンズワート様。カレンも交えて、もう一度話し合いを……」
カレンが立ち去って、どのくらいの時間が経ったのだろう。
初めに言葉を発したのは、カレンの父だった。