若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
あなたを、忘れることなんて ワートside
デュライト家の長男として生まれたジョンズワートは、幼い頃から、公爵家の跡取りとして厳しい教育を受けていた。
生まれのためか、元の性格か。早熟なところのあった彼は、それらが必要なものであると理解していたから、特に嫌がることもなく、あらゆる指導を受け続けていた。
優秀で、真面目で、飲み込みも早い。故に親族や教師にも熱が入り、その年で受けるには早い内容も叩き込まれる。
そんな将来有望な少年のジョンズワートだが、当然、疲れることだってある。
いくらやっても新たな課題が降りかかり、終わりなど見えそうになく。
授業の合間には、ご令嬢とその親の相手をすることもあった。
名門公爵家との繋がりを欲し、本人も親もギラついていることが多く、更にジョンズワートを疲労させた。
貴族同士なのだから仕方がない。
公爵家との繋がり……もっと言えば、婚約者の座などを欲するのも、悪いことではない。
そう理解してはいたが、ため息の1つぐらいはつきたくなる。
10歳ほどにして既に多忙なジョンズワートであったが、そんな彼にも、楽しみがあった。
好きな子――カレン・アーネストに、会いに行くことである。
生まれのためか、元の性格か。早熟なところのあった彼は、それらが必要なものであると理解していたから、特に嫌がることもなく、あらゆる指導を受け続けていた。
優秀で、真面目で、飲み込みも早い。故に親族や教師にも熱が入り、その年で受けるには早い内容も叩き込まれる。
そんな将来有望な少年のジョンズワートだが、当然、疲れることだってある。
いくらやっても新たな課題が降りかかり、終わりなど見えそうになく。
授業の合間には、ご令嬢とその親の相手をすることもあった。
名門公爵家との繋がりを欲し、本人も親もギラついていることが多く、更にジョンズワートを疲労させた。
貴族同士なのだから仕方がない。
公爵家との繋がり……もっと言えば、婚約者の座などを欲するのも、悪いことではない。
そう理解してはいたが、ため息の1つぐらいはつきたくなる。
10歳ほどにして既に多忙なジョンズワートであったが、そんな彼にも、楽しみがあった。
好きな子――カレン・アーネストに、会いに行くことである。