若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
それから数日後。
マザーズデイ前日。
ジョンズワートは、この日のために仕事を調整し、長めの休憩時間を掴み取っていた。
ショーンとともに、カレンへの贈り物を探すためである。
行先は、デュライト公爵邸の庭だ。
街へ出て既製品を探すことも考えたが、ショーンが庭で探す気だったこと、自身が過去に葉っぱや貝殻をカレンに贈っていたことをふまえ、庭を探索することにした。
今日は男二人で探検をするから、とカレンには説明し、おっきいのとちっちゃいのは玄関の前に立つ。
かくして、ショーンの大冒険は始まった。
ショーンが公爵邸の庭で遊ぶことも、庭で見つけた花などをカレンに贈ることもよくあるが、今日は、気合の入り方が違う。
なんせ、マザーズデイ前日だ。
今日のショーンは、いつもと似たような贈り物では満足しない。
ふんすふんすと鼻息も荒く歩くショーンに、ジョンズワートはぴったりくっついて進む。
二人の邪魔をしない程度の距離から、使用人もついてきている。
公爵邸の庭は広い。この場所で生まれ育ち、とっくに成人しているジョンズワートだってそう思うのだ。
まだ幼いショーンの視点から見える景色は、広大なものだろう。
事実、ショーンはまだこの家の庭を踏破していない。
いつもなら、あまり奥へ行く前に遊ぶ時間が終わってしまうのだが、ジョンズワートは、今日はショーンが満足するまで付き合うつもりだった。
ショーンは、花や葉っぱを吟味しながらも、どんどん奥へ進んでいく。
途中で入手したバラは、ジョンズワートが持っている。
ショーンが見つけ選んだバラだけでも十分な気がするが、今日のショーンはそれだけでは満足しない。
「おかあしゃに、すごいのあげるの」
そう言うショーンは、キリっとしていた。
母さんのことが大好きなんだなあ、いい子だなあ、とジョンズワートはしみじみとしたものだった。
マザーズデイ前日。
ジョンズワートは、この日のために仕事を調整し、長めの休憩時間を掴み取っていた。
ショーンとともに、カレンへの贈り物を探すためである。
行先は、デュライト公爵邸の庭だ。
街へ出て既製品を探すことも考えたが、ショーンが庭で探す気だったこと、自身が過去に葉っぱや貝殻をカレンに贈っていたことをふまえ、庭を探索することにした。
今日は男二人で探検をするから、とカレンには説明し、おっきいのとちっちゃいのは玄関の前に立つ。
かくして、ショーンの大冒険は始まった。
ショーンが公爵邸の庭で遊ぶことも、庭で見つけた花などをカレンに贈ることもよくあるが、今日は、気合の入り方が違う。
なんせ、マザーズデイ前日だ。
今日のショーンは、いつもと似たような贈り物では満足しない。
ふんすふんすと鼻息も荒く歩くショーンに、ジョンズワートはぴったりくっついて進む。
二人の邪魔をしない程度の距離から、使用人もついてきている。
公爵邸の庭は広い。この場所で生まれ育ち、とっくに成人しているジョンズワートだってそう思うのだ。
まだ幼いショーンの視点から見える景色は、広大なものだろう。
事実、ショーンはまだこの家の庭を踏破していない。
いつもなら、あまり奥へ行く前に遊ぶ時間が終わってしまうのだが、ジョンズワートは、今日はショーンが満足するまで付き合うつもりだった。
ショーンは、花や葉っぱを吟味しながらも、どんどん奥へ進んでいく。
途中で入手したバラは、ジョンズワートが持っている。
ショーンが見つけ選んだバラだけでも十分な気がするが、今日のショーンはそれだけでは満足しない。
「おかあしゃに、すごいのあげるの」
そう言うショーンは、キリっとしていた。
母さんのことが大好きなんだなあ、いい子だなあ、とジョンズワートはしみじみとしたものだった。