若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
少々飲みすぎではあったが、問題を起こしているわけでもないため、店の人間も、他の客も、カレンたちも、無理にジョンズワートたちに接触することはしなかったのだが――カレンの息子が、近づいてきてしまった。
「おじたん、だいじょーぶ?」
クリーム系の柔らかな色合いをした金の髪に、深い青色の瞳。愛らしい少女のようにも見える幼子は、見知らぬ男に向かってこてんと首を傾げた。
続いて、勝手に離れちゃダメでしょう、おじさんじゃなくてお兄さんよ、と言いながら、母親が……カレンがやってくる。
「旅の方ですか? 急に申し訳ありません。この店にはよく来るものですから、この子ったら、慣れすぎちゃっ……て……」
そこで、ジョンズワートと、カレンの視線が、絡んでしまった。
「ワート、さま……?」
「カレン……」
顔を上げてしまったジョンズワートの瞳は、子と同じ、深い青色だった。
ホーネージュ王国の公爵、ジョンズワート・デュライトと、その妻だった女性・カレンの物語は、ここから再び交差する。
「おじたん、だいじょーぶ?」
クリーム系の柔らかな色合いをした金の髪に、深い青色の瞳。愛らしい少女のようにも見える幼子は、見知らぬ男に向かってこてんと首を傾げた。
続いて、勝手に離れちゃダメでしょう、おじさんじゃなくてお兄さんよ、と言いながら、母親が……カレンがやってくる。
「旅の方ですか? 急に申し訳ありません。この店にはよく来るものですから、この子ったら、慣れすぎちゃっ……て……」
そこで、ジョンズワートと、カレンの視線が、絡んでしまった。
「ワート、さま……?」
「カレン……」
顔を上げてしまったジョンズワートの瞳は、子と同じ、深い青色だった。
ホーネージュ王国の公爵、ジョンズワート・デュライトと、その妻だった女性・カレンの物語は、ここから再び交差する。