私たちの復讐法
最終話
今はこの店の店主だった男と母は再婚して店の経営は大変だが元々は大女将だった母の根性でなんとかなっている。
あ、その男は結婚して数年後に亡くなってしまった。元々病気がちであった。母に全てを教え込んだのちホッとして天に召された。
ちなみにこの町で私たちの身の上のことは知られていない。
本当の父はあの妾に出し抜かれてしまった。
しかし妾はあの番組の放送後、蒸発した。
かと言って母は本当の夫の元にはもう戻れないと。悲しい。とても悲しい。
でも今母はこのお好み焼きのお店が一番なのだ。
追い出されたあの頃、本当に母は気に病んだ。私たち二人心中はする寸前にこのお好み焼き店主に救われた。
人生生まれ変わった。
でもあの頃の家族を壊され辛かった日々は今でも傷になっている。
だからわたしたちはずっと許さなかった。あの妾とその息子、謙二郎のことを。
だが、今。
わたしが他人になりすましてネット情報にそれらの事実を書き溜めていたのを公開した。
この更新に気づいただろうか。
店の名前も出した。
あなたが先に気づくか、それとも先に気づいた誰かが拡散してそれに気づくか。
「お客さん、お待たせしました」
わたしはスマホを凝視する彼の前に大皿のお好み焼きを置いた。
「平良謙二郎さん」
これから行うのは母娘(わたしたち)の復讐だ。
終
終
あ、その男は結婚して数年後に亡くなってしまった。元々病気がちであった。母に全てを教え込んだのちホッとして天に召された。
ちなみにこの町で私たちの身の上のことは知られていない。
本当の父はあの妾に出し抜かれてしまった。
しかし妾はあの番組の放送後、蒸発した。
かと言って母は本当の夫の元にはもう戻れないと。悲しい。とても悲しい。
でも今母はこのお好み焼きのお店が一番なのだ。
追い出されたあの頃、本当に母は気に病んだ。私たち二人心中はする寸前にこのお好み焼き店主に救われた。
人生生まれ変わった。
でもあの頃の家族を壊され辛かった日々は今でも傷になっている。
だからわたしたちはずっと許さなかった。あの妾とその息子、謙二郎のことを。
だが、今。
わたしが他人になりすましてネット情報にそれらの事実を書き溜めていたのを公開した。
この更新に気づいただろうか。
店の名前も出した。
あなたが先に気づくか、それとも先に気づいた誰かが拡散してそれに気づくか。
「お客さん、お待たせしました」
わたしはスマホを凝視する彼の前に大皿のお好み焼きを置いた。
「平良謙二郎さん」
これから行うのは母娘(わたしたち)の復讐だ。
終
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