新そよ風に乗って 〜憧憬〜
それとも、違っていたの?
私に、何を伝えたかったの?
あそこまで拒んで高橋さんの言葉を遮ってしまったため、その先を聞くことが出来なかった。
高橋さんの車は、もうとっくに見えなくなってしまっているのに、歩道に呆然と立ち尽くしたまま遙か向こうの信号の方を見ていた。
哀しさも、虚しさも、悔しさも、何て自分は愚かなのかと思うと涙すら出て来ない。
それにしても、分からない。
あの後、何を言うつもりだったの?
高橋さん。
私に、何を言いたかったの?
高橋さんと私は、この先……どうなるの?
中途半端なまま高橋さんと別れ、翌日まゆみにメールをすると、直ぐ電話が掛かってきて怒られた。
「何で、そうなのかなぁ……。もう、どうしようもないね」
まゆみにも呆れられたが、中途半端のままにはハイブリッジがするわけないから、少し様子をみたほうがいいとまゆみに言われた。
忙しかった決算も終わって、10月中旬に差し掛かる頃には、だいぶ仕事にも余裕が出て来た。けれど余裕が出て来た分、余計なことを考えてしまい、何かにつけてふと気づくと高橋さんのことを考えている。
忙しかった決算の時は極力思い出さないようにしていたが、尚かつ忙しさも手伝って忘れていられることが多かったので、ある意味忙しさに助けられていたが、こうしてまた少し暇になってくると、色々考えて頻繁に思い出すようになってしまっていた。
あれから高橋さんとは、プライベートでは何の連絡も取っていない。あの日から1ヵ月は経っていないのに、もう半年以上連絡を取っていないように感じられる。
高橋さんと会社では毎日会っていたが、あんなことがあってからも高橋さんは普通に接してくれていた。
そんな今日は10日で、久しぶりに朝から少しバタバタしている。
「出張の仮払い、お願い出来るかな」
高橋さんが、書類を持ってきた。
「はい」
書類内容に分からないところがあって高橋さんに聞きたくても、忙しくてなかなか捕まえられなかったりすると困るので、直ぐ書類に目を通した。
あっ……。
内容を確認しながら、書類の中の1ヵ所に釘付けになった。
「日程は、それでほぼ決まりだから」
「あっ、はい。あの……」
私に、何を伝えたかったの?
あそこまで拒んで高橋さんの言葉を遮ってしまったため、その先を聞くことが出来なかった。
高橋さんの車は、もうとっくに見えなくなってしまっているのに、歩道に呆然と立ち尽くしたまま遙か向こうの信号の方を見ていた。
哀しさも、虚しさも、悔しさも、何て自分は愚かなのかと思うと涙すら出て来ない。
それにしても、分からない。
あの後、何を言うつもりだったの?
高橋さん。
私に、何を言いたかったの?
高橋さんと私は、この先……どうなるの?
中途半端なまま高橋さんと別れ、翌日まゆみにメールをすると、直ぐ電話が掛かってきて怒られた。
「何で、そうなのかなぁ……。もう、どうしようもないね」
まゆみにも呆れられたが、中途半端のままにはハイブリッジがするわけないから、少し様子をみたほうがいいとまゆみに言われた。
忙しかった決算も終わって、10月中旬に差し掛かる頃には、だいぶ仕事にも余裕が出て来た。けれど余裕が出て来た分、余計なことを考えてしまい、何かにつけてふと気づくと高橋さんのことを考えている。
忙しかった決算の時は極力思い出さないようにしていたが、尚かつ忙しさも手伝って忘れていられることが多かったので、ある意味忙しさに助けられていたが、こうしてまた少し暇になってくると、色々考えて頻繁に思い出すようになってしまっていた。
あれから高橋さんとは、プライベートでは何の連絡も取っていない。あの日から1ヵ月は経っていないのに、もう半年以上連絡を取っていないように感じられる。
高橋さんと会社では毎日会っていたが、あんなことがあってからも高橋さんは普通に接してくれていた。
そんな今日は10日で、久しぶりに朝から少しバタバタしている。
「出張の仮払い、お願い出来るかな」
高橋さんが、書類を持ってきた。
「はい」
書類内容に分からないところがあって高橋さんに聞きたくても、忙しくてなかなか捕まえられなかったりすると困るので、直ぐ書類に目を通した。
あっ……。
内容を確認しながら、書類の中の1ヵ所に釘付けになった。
「日程は、それでほぼ決まりだから」
「あっ、はい。あの……」