新そよ風に乗って 〜憧憬〜
高橋さんが、ベッドの上に座っていた私を押し倒して右隣に横になりながら布団を掛けると、私の頭の直ぐ上に左手を置いた。
「こーぉっこ!」
ポンポンとマットを軽く右手で叩き、私の左肩を高橋さんが自分の方に軽く寄せた。
きっと、いつかみたいに高橋さんの脇の下に……。
少し恥ずかしかったけれど、何も言えないまま高橋さんの方へ少し体を近づけると、高橋さんは両足を私の足に絡め、ギュッと私を抱きしめた。
「た、高橋さん。そんなに、あ、あの苦しい……」
「ん?」
ヒッ!
いきなり高橋さんがガバッと起きたので、驚いて目を瞑ってしまったが、恐る恐る目を開けて見ると暗闇に慣れてきたこともあり、高橋さんの顔が真上にあることに気づいた。
うわっ。
思わず、グッとシーツに頭を押しつけるようにして顎を引いた。
「お前。体が熱い」
エッ……。
高橋さんがひんやりとした冷たい左手を額に当てたので、無意識にまた目を瞑ってしまった。
「熱は、大してことはなさそうだな。きっと、疲れが出たんだろう」
高橋さんが額に当てていた左手を離すと、私の右頬を包むようになぞったので、またしても緊張してしまう。
「ゆっくり休んで、明日ヤブ医者にでも診てもらうか。栄養補給も作らせようっと」
そう言いながら、高橋さんは左手で肘枕をして横向きに寝ながら右手を伸ばし、棚の上に置いてあった携帯を取ってタッチパネルを操作し始めた。
明良さんに、メールをしてるのかな?
「これで、ヨシ! 今晩よく寝て、明日栄養付ければ直ぐ治るから」
黙って頷いて高橋さんの顔をゆっくり見上げると、ジッと私を見つめていた。
「ヒャッ! な、何ですか?」
高橋さんが、私の両目を右手で覆った。
「フッ……早く目を瞑れ」
「えっ? どうしたんですか?」
いきなり、こんなことをされても……。
「いいから」
「もう。高橋さんが、さっき突然起きあがったりするから驚いたじゃないですかぁ」
恥ずかしさとばつの悪さから、それを誤魔化すために高橋さんのせいにしながら仕方なく言われたとおり目を閉じた。すると、高橋さんはまだ横向きの体勢のままだったので気になって目を開けたかったが、また何か言われそうなのでそのままジッと耐えた。
「まったく。誘いやがって……」
エッ……。
小さい声で高橋さんが呟いたので、よく聞き取れない。
チュッ。
「こーぉっこ!」
ポンポンとマットを軽く右手で叩き、私の左肩を高橋さんが自分の方に軽く寄せた。
きっと、いつかみたいに高橋さんの脇の下に……。
少し恥ずかしかったけれど、何も言えないまま高橋さんの方へ少し体を近づけると、高橋さんは両足を私の足に絡め、ギュッと私を抱きしめた。
「た、高橋さん。そんなに、あ、あの苦しい……」
「ん?」
ヒッ!
いきなり高橋さんがガバッと起きたので、驚いて目を瞑ってしまったが、恐る恐る目を開けて見ると暗闇に慣れてきたこともあり、高橋さんの顔が真上にあることに気づいた。
うわっ。
思わず、グッとシーツに頭を押しつけるようにして顎を引いた。
「お前。体が熱い」
エッ……。
高橋さんがひんやりとした冷たい左手を額に当てたので、無意識にまた目を瞑ってしまった。
「熱は、大してことはなさそうだな。きっと、疲れが出たんだろう」
高橋さんが額に当てていた左手を離すと、私の右頬を包むようになぞったので、またしても緊張してしまう。
「ゆっくり休んで、明日ヤブ医者にでも診てもらうか。栄養補給も作らせようっと」
そう言いながら、高橋さんは左手で肘枕をして横向きに寝ながら右手を伸ばし、棚の上に置いてあった携帯を取ってタッチパネルを操作し始めた。
明良さんに、メールをしてるのかな?
「これで、ヨシ! 今晩よく寝て、明日栄養付ければ直ぐ治るから」
黙って頷いて高橋さんの顔をゆっくり見上げると、ジッと私を見つめていた。
「ヒャッ! な、何ですか?」
高橋さんが、私の両目を右手で覆った。
「フッ……早く目を瞑れ」
「えっ? どうしたんですか?」
いきなり、こんなことをされても……。
「いいから」
「もう。高橋さんが、さっき突然起きあがったりするから驚いたじゃないですかぁ」
恥ずかしさとばつの悪さから、それを誤魔化すために高橋さんのせいにしながら仕方なく言われたとおり目を閉じた。すると、高橋さんはまだ横向きの体勢のままだったので気になって目を開けたかったが、また何か言われそうなのでそのままジッと耐えた。
「まったく。誘いやがって……」
エッ……。
小さい声で高橋さんが呟いたので、よく聞き取れない。
チュッ。