胡蝶ミラへのエクスプレス
そのままぼんやり授業を受け、五限目が終わるのは午後六時近くになり、十月の夕空は夏に比べ暗くなるのが早くなったものだ。
チャイムが鳴った途端、教授が話をまとめているのにぞろぞろ席を立つ生徒たち。可哀相だな。と思ってしまい、そういう時は続き一分くらいを黙って聞いていることがある。
「ここ、あさな」
出していたノートやペンを鞄にしまっていると、前方にいるセイタロウから笑顔で呼び止められ、これからご飯を食べに行かないかと誘われた。