胡蝶ミラへのエクスプレス
「はーなんか、越智君のイメージがちょっと変わってしまったなぁ」
「何それ、悪い方向にじゃないよね」
「違うよ」
笑顔のまま、森高さんは綺麗にお皿を拭いてくれる。
自分の家に他人がいるのに、違和感がないのは何故だろう。
今まで特別親しくもないはずだった森高さんなのに、あまりにもナチュラルに隣にいるから、ふとした瞬間にハッとする。
「森高さん次は五限なんでしょ。デザート食べて、いたいだけいてもらって良いから。俺は始まる前くらいにここ出るから、自由に良いよ」
「ハハ、ありがと。優しいね」