胡蝶ミラへのエクスプレス
その言葉に嘘を感じず、自分も口角が上がる。
もしかしたら森高さんと、今までと違う友達関係を築けるかもしれない。
「もう一つ貰っても良い?」
「お土産で持ってきたんだから、私に聞かなくて良いんだよ。食べて食べて」
「じゃあ頂きます」
クリームのたっぷり入ったマカロンを頬張ると、やはり今日は不思議と素直に笑顔が出る。
「ねぇ越智君、ボンボローニって知ってる?」
「何それ」
「あのねこれなんだけど……」
近付いてスマホの画面を覗き見ると、揚げパンのようなドーナツの中にクリームがいっぱい。