胡蝶ミラへのエクスプレス
「最近流行ってるスイーツみたいなんだ。でね、これが……」
ふとこちらを見上げた森高さんと視線を合わせると、肩が触れ合い顔の距離も通常時よりも近くて、きちんと認識する前にパッと距離を取る。
「あ……ごめん」
「俺の方こそごめん」
「写真、今そっちに送るね」
「ありがとう、お願い」
せっかく来てくれたのに、変に嫌な気持ちで帰ってほしくない。
良かったなってきっと思ってくれたはずだから、このまま離れたい。おかしな奴だったって、思われたくなかった。