胡蝶ミラへのエクスプレス
「あー……越智君、長居してしまってごめん」
「ううんそれは全然良いよ。なんか俺も、森高さんが部屋にいても違和感なかったし」
「ハハ、そう? なんか居心地が良くてつい」
こんな会話をできるのは、お互いきちんと距離を取っているからだし、一緒にいてもこの距離感を保つようにしたいな。
重い腰を上げてアパートを出ると、森高さんが大きな伸びをする。
「なんか、眠気が」
「授業寝ないと良いね」
「寝てたら、あさなから叩き起こされるよ」
「あさなは不真面目な奴、嫌いだもんなぁ。ジロウとかね」