胡蝶ミラへのエクスプレス





 マリコ先輩はストローを吸いながら、机に置くスマホを覗き込んでいる。

「ねぇここっちって、彼氏いるの?」

「えっ。いませんよ」

「好きな人は?」

「いないですよ、何でですか」

 マリコ先輩からこういうことを聞かれるのは初めてで、素直に驚いてしまう。

「や、聞いてみただけ」

「マリコ先輩はいるんですか」

「私? いるわけないじゃん、私にはちっとも分からんよ。ただ漫画とか読んでて、実際どんな感じなのかなぁって。ま、BLだからノーマルと違う所もあるんだろうけどね」





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