胡蝶ミラへのエクスプレス
「あ、アパートで……っていうのは、言わない方が良いんだよね? あさなには越智君のこと話すから、すき焼きの時から知ってるんだけどね」
「あさなは良いけど……他は……ごめん。言って、来てほしくないから」
そこまで言うと、森高さんは目を見開いて視線をさ迷わせる。
「実際私も、迷惑じゃないかな」
「森高さんは……良いんだよ。いつでも、気軽に、来てもらって」
こんな言い方をしたら、変に気があるように聞こえてしまっていないか。
でも、本心である。
「森高さんは……良いから」
「あ……そっか。そっかありがとう、特別なんだねー」