胡蝶ミラへのエクスプレス
折れたらまた……越智君が助けてくれるかな。
一人でクスクス笑いつつ、いつもの五号館三階の講義室に入ると、一限から授業を受けていたあさなが、中央付近の席で私を待っていた。
今日は同じようなテラコッタのブラウスを着ていて、なんだか合わせたように見える。あさなも私を見て笑いながら、手を振った。
「ここ、おはよ。おんなじ色だー」
「ね、ほら私ヒールもこの色だよー」
「実は私もパンプスこの色だよー」
あさなもテラコッタのシンプルなパンプスを履いていて、二人でクスッと笑い合った。