胡蝶ミラへのエクスプレス




 わいわい楽しそうに笑ったりするのに、しっかり自分というものを持っていて、何か言いたいことがある時はハッキリ伝える。

 流されて、良い顔して、ニコニコ笑って、結局最後にこんな風に相手を突き放す私が一番の悪者だと分かってる……けども……。

 気持ちを伝えてくれた男子学生と別れると、次の授業がある大講義室に急いで入る。本日最後の、眠くなる授業だ。

「ここ、もう授業始まるよー」

 入口で辺りを見回していると、友達のあさなが中央付近の席で手を振った。

 緩い階段を降りながら、あさながいる長テーブルの隣の席に腰を掛けると、数列前にさっきと素通りした越智君がいて、友達と楽しそうに話をしていた。




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