胡蝶ミラへのエクスプレス





「あさなもね、ありがとう」

「え、いきなり私? 何も二人の役に立ってないよ」

「私は……知ってる思うけど、無駄に笑うじゃん。でも、あさなといると楽っていうか……落ち着くんよ」

 こういうこと、初めて本人に話をする。あさなは静かに、私の方を見ている。

「だから、ありがとう。あさなには、感謝してる」

「やー、ここがそんな風に言ってくれるなんて嬉しいなぁ。私にとっても、ここは大事な友達だからね。もし拓磨がやなことしてきたら、ちゃんと言うんよ。ボコボコに……」

 恐ろしいことを言い出すあさなにあははっと笑うと、珍しくあさなも声を出して笑った。




< 648 / 728 >

この作品をシェア

pagetop