胡蝶ミラへのエクスプレス
ホラーは完全にダメ。
グロテスクなのも、得意じゃない。
そういう描写がなさそうだと言う理由で選んだのに……そこで、ハッとして隣にいる森高さんを見た。
血が無理だって、言ってた。
けど……意外と普通に見ている。
「……大丈夫?」
心配になって耳元に小声で話しかけると、目を合わせた森高さんは、コクリと頷いた。
「なんかもう、不思議と前より平気になったのかも……しれない」
「そう?」
「ハハ、おかしいね」
俺の方を見て口角を上げる森高さんは、再びスクリーンに目を向けた。