胡蝶ミラへのエクスプレス
『エピローグ』
──私は、よく笑う。
楽しくもない話なのに、あたかも楽しそうに見えるように接してしまう、嫌な癖があった。
こういう嫌なループから、一体いつになったら完全に離れられるのだろう。
未だすべてが切り替わったわけじゃないけれど、私は越智君と念願の口喧嘩をしたり、感動系のドキュメンタリ―で一緒に泣いたり、しょうもないことで笑い転げたり。
本来自分が必死に求めて、なりたい自分に変われる瞬間、隣にはいつだって当たり前のように越智君がいた。
どんな姿であっても、最後にはしっかり笑っていて、いつまで経ってもビックリするような心地良さのまま。