ハニー メイド ヘヴン
目が醒めた時はまだ話もできたの。式やめるとか言い出した甘ったれ娘を、病院まで駆けつけた秋生ちゃんと陽人さんにくれぐれも頼んで、連れ帰ってもらったんじゃない。
ユウには結婚式を録画してきてってわざと強請って。ほら、あたしの付き添いは、お兄の奥さんの杏花さんが出席を見送って引き受けてくれたじゃない。
朦朧としてるあたしに、お義姉さんが優しく教えてくれたの忘れた?『今日は綺麗に晴れて、有紗ちゃんいいお日和ですね』って。
「あたし結婚式に出る夢を見てたの?」
頭の中に自分の声がこだました。憶えてる現実はそれくらいまで。
「・・・あの子達にウソ吐いちゃったわ」
寂しい吐息。
「退院したら、今度はドレスで一緒に写真撮る約束したのに」
苦笑いが零れた途端、しゃぼん玉が弾けたみたいに厳かな景色が戻った。
ユウには結婚式を録画してきてってわざと強請って。ほら、あたしの付き添いは、お兄の奥さんの杏花さんが出席を見送って引き受けてくれたじゃない。
朦朧としてるあたしに、お義姉さんが優しく教えてくれたの忘れた?『今日は綺麗に晴れて、有紗ちゃんいいお日和ですね』って。
「あたし結婚式に出る夢を見てたの?」
頭の中に自分の声がこだました。憶えてる現実はそれくらいまで。
「・・・あの子達にウソ吐いちゃったわ」
寂しい吐息。
「退院したら、今度はドレスで一緒に写真撮る約束したのに」
苦笑いが零れた途端、しゃぼん玉が弾けたみたいに厳かな景色が戻った。