初恋の呪縛〜もしもあの時、キスしていたら〜
第2章 意外な告白
その日の午後7時過ぎ。
取引先との電話を終え、わたしはカバンを手にして席を立った。
「お疲れ」
と隣の麻央に声をかける。
「わたしも帰るとこなんで、ご一緒します」
そう言う麻央と連れ立って、オフィスを後にした。
「あー、お腹空いた。朱利先輩、ご飯行きません?」
「ごめん。今日ちょっと先約あって」
「えっ、デートですか? 朱利先輩にもようやく春が……」
「違うよ。仕事絡み。室長から朝、ちょっと付き合ってって言われて。たぶん恵比寿の店舗視察だと思うけど」
「いいなあ。たとえ仕事でも室長と二人きりなんて」
「本当は今日ぐらい早く帰りたいとこだったんだけどね」
先週までの忙しさで、部屋は散らかり放題。
朝、家を出るとき、今日こそ片付けたいと思っていたのだけれど。
「わたしも参加させてもらおうかな……。ん? でも、ちょっと待ってください。店舗に行くのなんて、勤務時間内でいいですよね……やっぱデートのお誘いですよ、それ」
取引先との電話を終え、わたしはカバンを手にして席を立った。
「お疲れ」
と隣の麻央に声をかける。
「わたしも帰るとこなんで、ご一緒します」
そう言う麻央と連れ立って、オフィスを後にした。
「あー、お腹空いた。朱利先輩、ご飯行きません?」
「ごめん。今日ちょっと先約あって」
「えっ、デートですか? 朱利先輩にもようやく春が……」
「違うよ。仕事絡み。室長から朝、ちょっと付き合ってって言われて。たぶん恵比寿の店舗視察だと思うけど」
「いいなあ。たとえ仕事でも室長と二人きりなんて」
「本当は今日ぐらい早く帰りたいとこだったんだけどね」
先週までの忙しさで、部屋は散らかり放題。
朝、家を出るとき、今日こそ片付けたいと思っていたのだけれど。
「わたしも参加させてもらおうかな……。ん? でも、ちょっと待ってください。店舗に行くのなんて、勤務時間内でいいですよね……やっぱデートのお誘いですよ、それ」