初恋の呪縛〜もしもあの時、キスしていたら〜
 2度目の挑戦ということもあり、わたしたちの作品はグランプリを獲得した。
 
 大方の予想通りとはいえ、勝利の味は格別で、周りからの祝福や称賛も思った以上に心地よかった。

 その興奮冷めやらぬまま、仲のいい友人たちと連れ立って居酒屋に繰りだした。

 そこで6時間粘った末、とうとう追い出され、とりあえずそこで祝勝会はお開きとなった。
 
「これからどうする?」
 なんとなく連れ立って横を歩いている都築に訊いた。

 このまま帰るのは惜しい気がしていた。
 都築も同じ気持ちだったらしい。

「もう少し飲みてえな」
「どっか店探す?」
「この時間じゃ、もう開いてねえだろ。そうだ、いいとこあるわ」
「どこ?」

 都築はイタズラを思いついた小学生みたいに目をきらめかせた。

「学校。忍び込もうや」

 わたしも親指を立てて応じた。

「いいね」

 酔っ払って気が大きくなってた。

 最高の気分の夜を、バカげたことをして締めくくりたかった。

 そこで、酒屋で缶チューハイを買い、学校を目指した。
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