初恋の呪縛〜もしもあの時、キスしていたら〜
第6章 想い想われ
12月に入った。
会社の前には、毎年恒例の巨大なクリスマス・ツリーが御目見えした。
近所の女子高生たちがスマホを手にして、笑いさざめきあいながら写真を撮っているのも、毎年繰り返される光景だ。
バーゲンシーズンを控え、会社はまた慌ただしい時期に突入していた。
その多忙の合間を縫いながら、わたしと千隼さんは逢瀬を重ねた。
日曜日だった昨日も彼の部屋を訪れた。
マンションは千駄ヶ谷にある。
服装と同じで、部屋もスタイリッシュな家具で統一されている。
神宮外苑のカフェで昼食を済ませて、マンションに戻り、心地の良いリビングでまったりと時を過ごすのがお決まりのデートだ。
「……朱利」
わたしの膝枕で寝そべっている彼の腕が、わたしの首をとらえる。
促されるまま、わたしは覆いかぶさるように彼と唇を合わせた。
「こういう不自由な態勢も悪くはないけど」
千隼さんは起き上がり、もう一度、わたしの唇を捉える。
「このほうがいいな、やっぱり」
そう囁きながら、丹念なキスを繰り返す。
「ち、はやさん……ん」
会社の前には、毎年恒例の巨大なクリスマス・ツリーが御目見えした。
近所の女子高生たちがスマホを手にして、笑いさざめきあいながら写真を撮っているのも、毎年繰り返される光景だ。
バーゲンシーズンを控え、会社はまた慌ただしい時期に突入していた。
その多忙の合間を縫いながら、わたしと千隼さんは逢瀬を重ねた。
日曜日だった昨日も彼の部屋を訪れた。
マンションは千駄ヶ谷にある。
服装と同じで、部屋もスタイリッシュな家具で統一されている。
神宮外苑のカフェで昼食を済ませて、マンションに戻り、心地の良いリビングでまったりと時を過ごすのがお決まりのデートだ。
「……朱利」
わたしの膝枕で寝そべっている彼の腕が、わたしの首をとらえる。
促されるまま、わたしは覆いかぶさるように彼と唇を合わせた。
「こういう不自由な態勢も悪くはないけど」
千隼さんは起き上がり、もう一度、わたしの唇を捉える。
「このほうがいいな、やっぱり」
そう囁きながら、丹念なキスを繰り返す。
「ち、はやさん……ん」