初恋の呪縛〜もしもあの時、キスしていたら〜
第7章 決心
コンペの審査員は、学校側のたっての希望もあり、引き受けることになった。
断るつもりで電話を入れたのだけれど、今年のテーマが「リアル・クローズ」ということで、デザイナーだけでなく、プランナーとしての視点も審査に加味したいと懇願され、結局押し切られた。
終了はだいたい18時ごろということなので、そのあとで千隼さんと会う約束をした。
もちろん、コンペの後、都築と過ごそうなんて、つゆほども考えていなかったけれど、それでも何か、自分の心の歯止めになるものが必要だった。
24日当日、窓を叩く雨音で起こされた。
雨は1時間ほどで止み、出かけるころには晴れ間も見え始めた。
学校を訪れるのは実に5年ぶりだ。
最寄り駅で都築と待ち合わせて、一緒に向かった。
校舎に一歩に足を踏み入れると、懐かしさがこみあげてくる。
まだ将来が見通せなくて、暗中模索していた日々。
そして……
毎日が、都築一色で埋め尽くされていたあのころ。
「懐かしいな」
「うん」
「学校ってところは時が止まってるみたいだな」
断るつもりで電話を入れたのだけれど、今年のテーマが「リアル・クローズ」ということで、デザイナーだけでなく、プランナーとしての視点も審査に加味したいと懇願され、結局押し切られた。
終了はだいたい18時ごろということなので、そのあとで千隼さんと会う約束をした。
もちろん、コンペの後、都築と過ごそうなんて、つゆほども考えていなかったけれど、それでも何か、自分の心の歯止めになるものが必要だった。
24日当日、窓を叩く雨音で起こされた。
雨は1時間ほどで止み、出かけるころには晴れ間も見え始めた。
学校を訪れるのは実に5年ぶりだ。
最寄り駅で都築と待ち合わせて、一緒に向かった。
校舎に一歩に足を踏み入れると、懐かしさがこみあげてくる。
まだ将来が見通せなくて、暗中模索していた日々。
そして……
毎日が、都築一色で埋め尽くされていたあのころ。
「懐かしいな」
「うん」
「学校ってところは時が止まってるみたいだな」