初恋の呪縛〜もしもあの時、キスしていたら〜
都築もいつになく神妙な様子で、感慨に耽っている。
事務室に向かう途中、在学生が近づいてきて「都築さんですよね、『Change the living』のデザイナーさんの」と声をかけてきた。
「ああ」
「あの、握手してください! ファンです!」
「どうも」
都築は照れ臭そうに応じた。
握手を終えると、その女の子は顔を真っ赤に紅潮させて足早に校舎に向かっていった。
「相変わらずモテるね。都築」
「なに、妬いてんの?」
「んな訳ないでしょ」
都築はチラッとわたしを見ると、聞こえるか聞こえないかという声音で「素直じゃねえな。相変わらず」と呟いた。
「なんか言った?」
聞き返そうと見上げると、都築は「別に」と言って、事務室のドアに手をかけた。
中に入ると、電話をくれた担当の斎藤さんが出迎えてくれた。
「こんにちは。今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ、ご足労いただきまして。憧れの先輩方においでいただけてもう感無量です。おふたりの作品、いまだに語り草なんですよ」
事務室に向かう途中、在学生が近づいてきて「都築さんですよね、『Change the living』のデザイナーさんの」と声をかけてきた。
「ああ」
「あの、握手してください! ファンです!」
「どうも」
都築は照れ臭そうに応じた。
握手を終えると、その女の子は顔を真っ赤に紅潮させて足早に校舎に向かっていった。
「相変わらずモテるね。都築」
「なに、妬いてんの?」
「んな訳ないでしょ」
都築はチラッとわたしを見ると、聞こえるか聞こえないかという声音で「素直じゃねえな。相変わらず」と呟いた。
「なんか言った?」
聞き返そうと見上げると、都築は「別に」と言って、事務室のドアに手をかけた。
中に入ると、電話をくれた担当の斎藤さんが出迎えてくれた。
「こんにちは。今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ、ご足労いただきまして。憧れの先輩方においでいただけてもう感無量です。おふたりの作品、いまだに語り草なんですよ」