可哀想な皇太子殿下と没落ヒヒンソウ聖女は血の刻印で結ばれる
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「これ・・・このくらいからこんなに大きくなるんですか・・・?」



そう言って人差し指だけを伸ばしながらステル殿下を見上げた。
ステル殿下はそれに苦笑いをして・・・



「普通の状態の時でもそれよりはある。」



そう答えた。



インソルドの村に置いてきたソソの身体についていたソレを思い出しながら、伸ばした人差し指はそのままに・・・



ステル殿下の大きなソレ、天に向かって反り返っているソレを少しだけ指先でつっついてみた。



「凄い・・・本当に硬くなるんですね。」



インソルドにいた頃からそれくらいの知識はあったけれど、実際に見たのは初めてだった。



「23歳の歳までカルティーヌに性行為の経験がないとは思わなかった。」



「インソルドとインラドルでは結婚する相手か結婚した相手としか子作りをしてはいけないことになっていますから。
王都のように避妊薬もないので“月のモノ”からタイミングを計算し、子作りの為だけに性行為をしています。」



だから“月のモノ”がいつかは男には知られないようにしていた。
昔、王都で悪さをして逃れてきた貴族がインソルドに居座る為、未婚の女と無理矢理子作りをしようとしたこともあったから。



「私は誰のところにも嫁ぐことが出来ませんでしたので、子作り・・・いや、性行為ですかね、それはしたことがありませんでした。」



子作りではなく性行為と言い直した。
言い直した私のことをステル殿下が慎重な様子で見詰めてきて・・・



「その・・・“月のモノ”は来ているのか?」



そう聞いてきた。
15歳から“月のモノ”が来ることはなかった私に、そう聞いてきた。
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