可哀想な皇太子殿下と没落ヒヒンソウ聖女は血の刻印で結ばれる
昨晩、ステル殿下とそんな話をして子作りをした。
子どもが作れるタイミングで、子作りを。
クラスト陛下を探しだしステル殿下を国王にする。
そのつもりでいた。
そのつもりでいたのに・・・
「ルル伯爵令嬢・・・!!
王宮の中に逃げてください!!早く!!!」
カルベルが私の背中を強く押しながら叫んでいる。
ケロルドはつけずにカルベルにクラスト陛下の噂話を聞いていた時、昼なのにやけに黒い空から雷のような大きな音が落ちてきて・・・
その音に瞬間的に太ももにあるナイフを手に取り立ち上がると、空にはクレハの群れがいた。
魔獣の中で1番良くないモノ・・・。
グースのような翼を持ち狼に似た身体、口は猛獣のように大きく鋭い歯を持っている。
ユンスと同じくらいの知能を持ちながら目も鼻も耳も良い。
群れることはないはずなのに、目視で1千強のクレハが黒い空にいた。
「ルル伯爵令嬢!!!」
空を見上げている私にカルベルがもう1度叫んでくるので、私はカルベルを見下ろしながら冷静に聞く。
「近衛騎士団も第2騎士団も1人につき1体のグースなんだよね?」
「はい、そう聞いたことがあります・・・。」
「1体のグースがその人間を選びに“死の森”から降りてくるんだよね?」
「ソソからそう聞きました・・・。」
その返事を聞き、これには苦笑いになる。
私の元にはグースが選びに来てくれていないから。
私が苦笑いをしていた時、王宮からグースの群れが空に翔ていく光景が見えた。
「近衛騎士団か第2騎士団、か・・・。」
グースのような瞬間移動にも似た移動は出来ないけれど、クレハは空を地面を蹴っているかのように素早く動ける。
「クレハは1年前でも8体しかいなかったのに。」
他の魔獣も押し寄せているのか、それともクレハの群れだけなのか。
情報が私の元には何もない。
そんな中でも最善の判断を考える。
「カルベル、お願いがある。」
「何ですか!?」
「王宮の中にいる、王族の血が流れている人間達を1つの部屋に集めて欲しい。」
「王族の血ですか・・・?」
「クレドが言うにはあの魔獣は殺意を持つ人間と王族の血が流れている人間しか襲ってこないらしい。
1つの部屋に集めておけばこっちも守りやすくなる。
王族の血が薄い人間達も含めて、出来る?」
「王族の血ですか・・・。
僕は王族の方達に直接お会いしたこともなければ僕の言葉で動いてもらえるか・・・。」
カルベルがそう言った時・・・
私とカルベルの頭上から大きな風が吹いてきた。
それを見上げると、いた・・・。
グースがいた。
この前城壁の最上部で見たどのグースよりも大きなグースが。
インラドルにいる1体、私の実の父親が乗っていたグースが。
子どもが作れるタイミングで、子作りを。
クラスト陛下を探しだしステル殿下を国王にする。
そのつもりでいた。
そのつもりでいたのに・・・
「ルル伯爵令嬢・・・!!
王宮の中に逃げてください!!早く!!!」
カルベルが私の背中を強く押しながら叫んでいる。
ケロルドはつけずにカルベルにクラスト陛下の噂話を聞いていた時、昼なのにやけに黒い空から雷のような大きな音が落ちてきて・・・
その音に瞬間的に太ももにあるナイフを手に取り立ち上がると、空にはクレハの群れがいた。
魔獣の中で1番良くないモノ・・・。
グースのような翼を持ち狼に似た身体、口は猛獣のように大きく鋭い歯を持っている。
ユンスと同じくらいの知能を持ちながら目も鼻も耳も良い。
群れることはないはずなのに、目視で1千強のクレハが黒い空にいた。
「ルル伯爵令嬢!!!」
空を見上げている私にカルベルがもう1度叫んでくるので、私はカルベルを見下ろしながら冷静に聞く。
「近衛騎士団も第2騎士団も1人につき1体のグースなんだよね?」
「はい、そう聞いたことがあります・・・。」
「1体のグースがその人間を選びに“死の森”から降りてくるんだよね?」
「ソソからそう聞きました・・・。」
その返事を聞き、これには苦笑いになる。
私の元にはグースが選びに来てくれていないから。
私が苦笑いをしていた時、王宮からグースの群れが空に翔ていく光景が見えた。
「近衛騎士団か第2騎士団、か・・・。」
グースのような瞬間移動にも似た移動は出来ないけれど、クレハは空を地面を蹴っているかのように素早く動ける。
「クレハは1年前でも8体しかいなかったのに。」
他の魔獣も押し寄せているのか、それともクレハの群れだけなのか。
情報が私の元には何もない。
そんな中でも最善の判断を考える。
「カルベル、お願いがある。」
「何ですか!?」
「王宮の中にいる、王族の血が流れている人間達を1つの部屋に集めて欲しい。」
「王族の血ですか・・・?」
「クレドが言うにはあの魔獣は殺意を持つ人間と王族の血が流れている人間しか襲ってこないらしい。
1つの部屋に集めておけばこっちも守りやすくなる。
王族の血が薄い人間達も含めて、出来る?」
「王族の血ですか・・・。
僕は王族の方達に直接お会いしたこともなければ僕の言葉で動いてもらえるか・・・。」
カルベルがそう言った時・・・
私とカルベルの頭上から大きな風が吹いてきた。
それを見上げると、いた・・・。
グースがいた。
この前城壁の最上部で見たどのグースよりも大きなグースが。
インラドルにいる1体、私の実の父親が乗っていたグースが。