婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜
21 王宮の夜会へ
「あの……お嬢様、本当にこのドレスで宜しいのですか?」
夜会用のドレスのリボンを結びながらアンナが眉根を下げた。
彼女はローラント王国におけるわたしの侍女だ。アンドレイ様の極秘任務につき、侍女やメイドを一人も連れてこなかったわたしにスカイヨン伯爵が専属の侍女を付けてくれたのだ。
アンナはわたしより一つ年下の子爵令嬢で、とっても話しやすくていい子なんだけど、ミーハーでそそっかしくて……一緒にいてこちらまで気持ちが明るくなるような楽しい子だ。
「えっ、変かしら?」
「い、いえ! 変じゃないです! とっても素敵です! ですが、その……」と、彼女はもの言いたげな視線をわたしに向けた。
「あら、遠慮しないでいいのよ。わたしたちの仲じゃない」
「で、では……忌憚のない意見を申し上げます」
「どうぞ」
アンナはにわかに真剣な眼差しになって、
「お嬢様にはもっと大人びて洗練されたデザインのドレスのほうが似合うと思うんです!」
夜会用のドレスのリボンを結びながらアンナが眉根を下げた。
彼女はローラント王国におけるわたしの侍女だ。アンドレイ様の極秘任務につき、侍女やメイドを一人も連れてこなかったわたしにスカイヨン伯爵が専属の侍女を付けてくれたのだ。
アンナはわたしより一つ年下の子爵令嬢で、とっても話しやすくていい子なんだけど、ミーハーでそそっかしくて……一緒にいてこちらまで気持ちが明るくなるような楽しい子だ。
「えっ、変かしら?」
「い、いえ! 変じゃないです! とっても素敵です! ですが、その……」と、彼女はもの言いたげな視線をわたしに向けた。
「あら、遠慮しないでいいのよ。わたしたちの仲じゃない」
「で、では……忌憚のない意見を申し上げます」
「どうぞ」
アンナはにわかに真剣な眼差しになって、
「お嬢様にはもっと大人びて洗練されたデザインのドレスのほうが似合うと思うんです!」