婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜

 アンドレイ様のことは正直まだ迷っていた。

 わたしは生まれたときから彼の婚約者で、それ以外の選択はあり得なかったから。
 このまま知らない振りをして、決められた人生を歩んだほうが幸せなのかもしれない。

 でも…………、

 あの日以来、わたしの中でずっと警鐘が鳴り続けているのだ。それは自身にずっと問いかけてくる。
 これからも一生、ずっと彼らの人形を一生懸命演じていくつもりか、と。
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