婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜
でも、わたしは能力が高くないし、容姿も目付きが悪くて怖いと言われるし……なんの取り柄もなかった。
唯一、人より優れいてるのは侯爵令嬢という身分だけ。だから「身分に相応しい令嬢になりなさい」と両親から厳しく育てられてきた。
だけど、いくら努力をしても両親が褒めてくれたことは一度もなく、「お前の取り柄は侯爵令嬢という身分だけ」とだけ……いつも言われていた。
そんなやり取りを常に近くで見ていたヴェルは、いつの間にかこればかりを喋るようになったのよね。