婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜

 今日はガブリエラさんと王都のブティックにショッピングへ行ったときに購入したドレスを身に纏った。
 コバルトブルーを基調にしたドレスはシンプルなAラインで、露出は控えめだけどデコルテのレースにキラリとビーズが光って、地味すぎず上品な印象だった。

 本当は赤いドレスにしたかったのだけれど、赤は王太子殿下の瞳を連想させるのでさすがに余計な憶測を招いたら不味いからってアンナに言われたので、今回は青にした。

 こうして、わたしは侍女のアンナと付添人のガブリエラさんとともに王宮へと向かったのだった。
 行事とはいえ、こうやって気の置けない仲の二人と出掛けるのは正直楽しかった。馬車の中でも、わたしたちのお喋りは止まらなかったわ。
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