婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜
そうしている内にレイはローラント王国の令嬢たちにあっという間に囲まれて、彼とはこれ以上会話ができそうになかったので、わたしはそっと離れた。ドキドキが収まらなかったので、お誂え向きのタイミングだったわ。
そのあとは他の令嬢やルーセル公爵令息と話したり……と言っても彼の場合はほとんどレイの愚痴だったけど……のんびりした時間を過ごしていたのだけれど、ふと、違和感を覚えた。
「異物」だ。