婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜


「あちらが仕掛けてくるのは建国祭だな」と、レイが呆れた様子で笑っていた。

 優美な死骸の調査によると、どうもアンドレイ様とナージャ子爵の懐事情があまり宜しくないらしい。先日のローラント王国での違法競売の摘発が影響しているようだ。
 加えて、最近は公務や執務を臣下に押し付けているようで、大臣たちから「侯爵令嬢を呼び戻したほうが良いのではないか」と進言されていた。
 だから、早くわたしを排除してシモーヌ子爵令嬢との新しい体制に移行したいみたいだ。

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