婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜



 あれからレイとは、これまでと同じような友人関係を続けていた。
 彼は王太子でわたしは隣国の王子の婚約者。二人の間に特別な感情なんて許されないのだ。
 でも、確実に分かったことがある。

 わたしは……レイが好き。

 …………だけど、今はそれ以上のことは怖くて考えられないわ。
 だからこの気持ちはそっと胸の奥に閉まっておこうと思う。

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