婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜

40 建国祭

 雲一つない晴れ渡った清々しい天気だった。

 今日は建国祭。王都は朝からお祭り騒ぎで、大通りにはたくさんの屋台が並んで、人でごった返していた。
 活気立った通りを目を細めて眺めながら、わたしは王宮へと向かった。

 お昼に記念式典が開催されて、夜はパーティーが執り行われる。
 わたしは王子の婚約者としてどちらも王族席からの参列だ。正直なところ、アンドレイ様の隣は息が詰まるけど、まだ彼の婚約者なのだから責務は果たさないといけないわ。頑張らなくちゃ。
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