婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜
でも、同時に寂しい気持ちも抱いているのは否定できない。
両親にとって、わたしは「王子の婚約者」という家門を繁栄させるための駒でしかなかったのかしら。わたしは愛されていたのかしら。彼らは本当のわたし自身を見てくれていたのかしら。
……そんなことを考えていると、覚えず涙が枕を濡らしたのだった。
もしかしたら、両親とも決別することになるのかもしれない。
でも、不思議と後悔はなかった。