婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜







 ファーストダンスが終わると、今度はわたしの本来のパートナーであるアンドレイ様とのダンスだ。
 わたしたちはホールの中央へと向かう。

「宜しくお願いいたします、殿下」

 わたしは挨拶をして手を伸ばす……でも、彼の手はこちらに差し出されなかった。

 そして、

「オディール・ジャニーヌ侯爵令嬢、あなたとは婚約破棄をする!」


 アンドレイ様の声が朗々とホール中に響いた。
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