婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜
42 ザ・断罪・ショウ①
「オディール・ジャニーヌ侯爵令嬢、あなたとは婚約破棄をする!」
記念すべき建国パーティー、煌々と眩しすぎるくらいに光を放つシャンデリアに照らされて、次世代の国家の中心を連想させるようにホールの中央に立つ王子と婚約者の侯爵令嬢。
出し抜けに王子から放たれた堂々たる言葉に貴族たちは突風でも受けたみたいに圧倒されて、会場は嵐のあとのようにしんと静まり返った。
音が止まる。空気が重い。息を呑む。ピンと張り詰めた緊張の糸が、会場内を駆けるように幾重にも張り巡らせていた。
ついに、来たのね……。
わたしは気持ちを落ち着かせるために軽く深呼吸をする。周りの静寂さが自身の思考を浄化させるようで、不安視していた取り乱すような事態にはならなかった。
顔を上げて正面からアンドレイ様をじっと見据える。
覚悟はできているわ。大丈夫、わたしなら上手く演じきってみせる。
記念すべき建国パーティー、煌々と眩しすぎるくらいに光を放つシャンデリアに照らされて、次世代の国家の中心を連想させるようにホールの中央に立つ王子と婚約者の侯爵令嬢。
出し抜けに王子から放たれた堂々たる言葉に貴族たちは突風でも受けたみたいに圧倒されて、会場は嵐のあとのようにしんと静まり返った。
音が止まる。空気が重い。息を呑む。ピンと張り詰めた緊張の糸が、会場内を駆けるように幾重にも張り巡らせていた。
ついに、来たのね……。
わたしは気持ちを落ち着かせるために軽く深呼吸をする。周りの静寂さが自身の思考を浄化させるようで、不安視していた取り乱すような事態にはならなかった。
顔を上げて正面からアンドレイ様をじっと見据える。
覚悟はできているわ。大丈夫、わたしなら上手く演じきってみせる。