婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜
43 ザ・断罪・ショウ②
「戦争と言えば、貴国では意図的に我が国と開戦しようと画策している者がいるな?」
またもや国を揺るがすような衝撃的な言葉が、会場内に投げ掛けられる。
貴族たちは王太子の突拍子もない台詞をすぐには呑み込めず、唖然とした様子でわたしたちを取り囲んでいた。黒色と黒色をマーブリングしたような混沌とした感情がホール中を渦巻く。
国王陛下の眼光が鋭くなった気がした。
レイはアンドレイ様に負けないくらいに大仰な演技で、揺れ動く周囲に問いかけるように続ける。
「折角、ジャニーヌ侯爵令嬢が中心となって動き対・帝国への軍事同盟を構築しようとしているのに、残念だ」
王太子の視線の先には――アンドレイ様。
誰しもが隣国と開戦しようとしている者の正体を察する。
「……アンドレイ様、あなたはローラント王国のダイヤモンド鉱山に攻め込もうとしていますね? すぐにでも」と、わたしは観衆が薄々気付いていた答えを述べた。
「なっ……!」
アンドレイ様の顔が青ざめた。額には脂汗が滲んでいる。
「な……なにを馬鹿なことを言っているんだ! 私がそのようなことを行うわけがないだろう!?」
またもや国を揺るがすような衝撃的な言葉が、会場内に投げ掛けられる。
貴族たちは王太子の突拍子もない台詞をすぐには呑み込めず、唖然とした様子でわたしたちを取り囲んでいた。黒色と黒色をマーブリングしたような混沌とした感情がホール中を渦巻く。
国王陛下の眼光が鋭くなった気がした。
レイはアンドレイ様に負けないくらいに大仰な演技で、揺れ動く周囲に問いかけるように続ける。
「折角、ジャニーヌ侯爵令嬢が中心となって動き対・帝国への軍事同盟を構築しようとしているのに、残念だ」
王太子の視線の先には――アンドレイ様。
誰しもが隣国と開戦しようとしている者の正体を察する。
「……アンドレイ様、あなたはローラント王国のダイヤモンド鉱山に攻め込もうとしていますね? すぐにでも」と、わたしは観衆が薄々気付いていた答えを述べた。
「なっ……!」
アンドレイ様の顔が青ざめた。額には脂汗が滲んでいる。
「な……なにを馬鹿なことを言っているんだ! 私がそのようなことを行うわけがないだろう!?」