婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜


「畏れ多くも国王陛下」わたしは陛下にカーテシーをして「発言をお許し頂けますでしょうか?」

「許す」

「ありがとうございます。実は、対・帝国に向けて我が国軍の軍備について精査しているうちに、興味深い情報を掴みましたわ。今、こちらで発表しても宜しいでしょうか?」

「面白い。言ってみよ」

 わたしは一礼してから、

「あちらにいるアンドレイ王子殿下が直々に側近に指名したシモーヌ・ナージャ子爵令嬢ですが、任命の根拠となった彼女の功績は全て平民出身の役人から奪い取っていたものでしたわ」

「出鱈目を言うなっ!!」

 アンドレイ様の大音声の叫び声が響いた。もう破れかぶれで、普段の気取った姿とは程遠く、酷く滑稽に見えた。
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