婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜
44 ザ・断罪・ショウ③ ※若干、下品な表現あり※
「はっ………………」
アンドレイ様の顔が強張った。ナージャ子爵令嬢も気まずい様子で隣の恋人を見ている。
「わたしが知らないと思っているのですか?」と、わたしは冷笑を浮かべる。
「オディール……」
アンドレイ様の敵意の帯びた視線がわたしに激しくぶつかる。国王陛下に似た強い双眸は、まだ若い彼でもなかなかの迫力があった。
でも、わたしも負けない。こんなもの、弾き飛ばしてあげるわ。
しばらく無言で互いに威嚇しあったあと、
「証拠はあるのか? 私たちが恋人同士だと証明してみろ」
アンドレイ様は鼻で笑いながら挑発するように言った。
証明する以前に子爵令嬢のドレスやさっきの二人のやり取りであらかた察しはつくのに、自ら墓穴を掘るようなことを言ってこの人はなんて愚かだろうと、わたしは唖然として彼を見た。
アンドレイ様の顔が強張った。ナージャ子爵令嬢も気まずい様子で隣の恋人を見ている。
「わたしが知らないと思っているのですか?」と、わたしは冷笑を浮かべる。
「オディール……」
アンドレイ様の敵意の帯びた視線がわたしに激しくぶつかる。国王陛下に似た強い双眸は、まだ若い彼でもなかなかの迫力があった。
でも、わたしも負けない。こんなもの、弾き飛ばしてあげるわ。
しばらく無言で互いに威嚇しあったあと、
「証拠はあるのか? 私たちが恋人同士だと証明してみろ」
アンドレイ様は鼻で笑いながら挑発するように言った。
証明する以前に子爵令嬢のドレスやさっきの二人のやり取りであらかた察しはつくのに、自ら墓穴を掘るようなことを言ってこの人はなんて愚かだろうと、わたしは唖然として彼を見た。